とうこくレポート 2003年4月22日
CELT グリーンブック 12章
1、山頂施設
・太陽、気温、湿度、雨、雪、氷、風から望遠鏡を守る
・風を減衰させる
平均風速7m/s。9割は12m/s以下。最大で70m/sまで耐えるようにする。
・ドームへのアクセス、作業性、メンテナンス性
・通信
高速大容量の音声・画像・データ通信を設備する。ワイアレス設備も重要。
AOシステムのための航空情報へのリアルタイムコミュニケーション設備。
・ドーム駆動
スリットは方位角方向に最低360°回転。
・光源
ドーム空間全体の照明はおよそ100ルクス(lumens/m22)。
通路や作業場など人の通るところは300ルクス。
望遠鏡やドームの特別な箇所は局所的に1000ルクス。
光源は、熱源の最小化と省エネに最も効果がある。
・電源と騒音
平均電力は900kW、最大使用時で2100kW。山頂施設は3000kWを備えるべき。
・換気
夜間の換気は必要。昼間はドームを閉めて夜間温度に合わせるように空調。
400kWの排熱が必要と見積もられている。
Keckが採用しているような加圧空気によるドームの換気は、CELTサイズの
ドームでは実用的ではない(ファンの消費電力が大きすぎる)。
・ドア・クレーン
トラックやクレーンが出入りできるような十分広いドアの設置。
大きくて機動力のあるクレーンの設置。
2、デザイン概要
・ドームは「回転する金属製の球面」と「固定された円柱壁」の2つの部分からなる。
・開口部は3つのシャッターで閉じる(最小限の開口サイズと動きが可能)。これら
のシャッターはどの仰角でも最低25°〜85°は開くように。
ドームとベース円柱には換気用ドアをつける。
・たいていのドームは鉄鋼で造られているが、少なくとも2社がアルミフレームの
巨大ドームを製作経験がある(Temcor(@Carson,CA)、Star*Net(@Longwood,FL))。
3、ドームの熱問題
昼間の太陽熱、放射冷却、昼夜の熱対流、人工光源からの熱、望遠鏡ベアリングオイル
からの熱、昼夜の温度差、湿度を含んだものからの潜熱、装置のエレキからの熱など...
上記の熱量を項目ごとに見積もっている。
4、本部施設・リモート観測施設
・主鏡セグメントを保管し組み上げることができる
・山頂施設との往復をするための大量の車がメンテナンスできる
・観測装置や望遠鏡部品等の修理が十分行える
・ビジターサイエンティストの滞在ができる
・地元コミュニティとの交流が活発にできる
・空調の整備されたコンピュータルーム
・リモート観測設備は、カルフォルニア各所の主要な研究施設に置く。人のサポート、
電話やテレビ会議、高速データ通信などが可能であること。人のサポートとしては
昼間の静かな睡眠設備や夜間の食事設備など。通信設備等は技術進歩が早いので
詳細は観測所設計の最終段階で決めればよい。