とうこくレポート 2003年4月11日
OWL
"オープンエア・ドーム"を考えている。昼間は気象状況や熱から望遠鏡をシールドするための
スライド式シェルタで覆う。
設計の要点
・観測中、望遠鏡を風から守り、追尾精度を良くする。光学面を変形から守る。
望遠鏡が風に吹かれないようにする。光路まで浮かび上がるような局所シーイング
や重大な性能低下の原因になるものを避ける。
・ドーム自身が、強い乱流を生じる原因になる。NTTやVLTのドームのような可変透過性
のウィンドスクリーンもある。
・徹底した大規模な空調対策をしない限り、ドームや床は局所熱を生じ、それが
自然対流となりさらなるシーイングの低下を招く。
・ドームは本来は何もないのがベストだが、光学面を保つには必要。
ドーム全体の空調はコスト的に不可能。
望遠鏡構造の熱時定数は非常に小さい。
・風の効果は多数のパラメータが影響。風の速度とスペクトル、ミラーの強度、
サポート構造の強度、波面制御システムの自由度と特性、フィールドの安定性など。
サイト選定段階で風について考慮中の間は、パラメータはできる限り広いレンジの
環境に耐えうるように考えておくべき。
動くドーム。宮崎シーガイアのようなイメージ。
風洞シミュレーション 風速10m/sのときの、主鏡裏面での定常的な圧力分布