ZIFソケットの熱伝導率の測定レポート(1)
Nov.19.1999 tokoku
◎ 熱伝導率測定の途中報告
測定したいもの
(1)ZIFソケットの樹脂部分のみの熱伝導率
(2)ZIFソケットの、金メッキされたピンも含む熱伝導効率
測定に必要な条件
(1)の場合......樹脂部分にヒータを取り付け、ソケット上の2点の温度差とその
温度にするために要した熱量を測定。
(2)の場合......金メッキピンからソケット全体を冷却し、樹脂部分が設定温度に
達するまでの時間と温度変化を測定。
現在の状況
・(2)の測定はTONICを用いて真空・LHe冷却して行なう。
・(2)で、ピンからソケットを冷やす際には、銅板のコールドプレートに押しつけるが、
それだけでは熱接触が悪いので、インジウム線をピンに巻き付けて、コールドプレート
との熱接触がより確実になるようにする。
ただし、インジウムの熱伝導率はあまり良くない(84 W/m/K @0℃)。
また銅金具で上からも押しつけるかたちにする。
もっと良い熱接触方法がないかどうか模索中。
予備実験
試しに常温大気中で山一ソケットの熱伝導率をおおざっぱに測定した。
ヒーター(抵抗器) Acrol製 159-770 15W-22R-J 98,36
設定電圧 7.0 V
電流 0.31 A
室温 19.5℃
ヒーターとAの距離 16mm
ヒーターとBの距離 56mm
| A[K] | B[K] | C[℃] |
測定前 | 290.9 |
290.8 | 39 |
5分後 | 292.9 |
291.1 | 66 |
30分後 | 297.4 |
293.2 | 80 |
これで山一ソケットの樹脂部分の熱伝導率を求めると、
Q ln( R2 / R1 )
κ = -------------------
2πτ L ( T1 - T2 )
= 4.48 × 10^-2 [W/m・K]
この値がどれほど妥当なものかはまだ検討していない。
例えば、他の物質の熱伝導率を見ると(理科年表より)ガラスウールは0.04、
絹布0.05、砂0.03(単位はそれぞれ[W/m・K])などで、これらと比較してみると
ソケットの樹脂部分の熱伝導率は非常に悪い感じがする。
銅板などで同様の実験をしてみて、この測定方法が正しいかどうか検討もしてみる。
今回の実験は実験のセッティングのテストのつもりで、おおざっぱに行なったものなので、
これから改めて山一・3Mのソケットについて正確に測定し、報告する。