アルミ合金の熱処理についてメモ 2001.8.16 up アルミニウム合金 JISで用いられる質別記号
T | 【定義】熱処理によってF、H、O以外の安定な質別にしたもの。 安定な質別にするため、追加加工硬化の有無にかかわらず、熱処理をしたもの。 |
T4 | 【定義】溶体化処理後自然時効させたもの。 溶体化処理後冷間加工を行わないで、十分に安定な状態まで自然時効させたもの。したがって、矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。 |
T6 | 【定義】溶体化処理後人工時効硬化処理したもの。 溶体化処理後積極的に冷間加工を行わないで、人工時効処理したもの。したがって、矯正してもその冷間加工の効果が小さいもの。 |
T451 | 【定義】溶体化処理後残留応力を除去し、さらに自然時効させたもの。 溶体化処理後1.5%以上3%以下の永久ひずみを与える引っ張り加工によって残留応力を除去し、さらに自然時効させたもの。 |
T651 | 【定義】溶体化処理後残留応力を除去し、更に人工時効硬化処理したもの。 溶体化処理後1.5%以上3%以下のひずみを与える引っ張り加工によって残留応力を除去し、さらに人工時効硬化処理したもの。 |
時効処理 急冷または冷間加工の後、必要時は加熱等の助けにより、時間の経過を 利用して金属材料の性質(硬さなど)を変化させる処理。 溶体化処理 合金成分を固溶体に溶解する温度以上に加熱して、十分な時間保持して 急冷し、合金成分や金属間化合物等の析出を阻止する処理法。 冷間加工 再結晶温度未満、または常温で行われる加工。塑性変形を利用した加工。 冷間加工によって金属は加工硬化し、残留応力やひずみエネルギーが蓄積 されるので、加工前より不安定な性質となる。安定化するためには再度 再結晶温度に加熱後、徐冷し焼きなましをする。冷間加工には、冷間圧延、 引抜き、プレスなどがある。 焼きなまし アニーリング。鋼を軟化させるための処理。鋼をオーステナイト状態に 加熱して、炉のなかで20K/h以下の除冷を行うか、650℃付近まで冷却し ここで等温変化させる処理。 参考文献 アルミニウム技術情報 熱処理教室 小口・技術用語検索