分光・多天体分光の試験観測に向けて
ミーティングメモ

2004年11月10日
市川、山田、壱、小西、東谷
2005年1月6日追記


およその観測手順について(シングル分光・MOS)
手順 内容 実験・検討事項 コメント
【MOS】
プレ撮像
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【MOS】
マスク・スリットを作る
とりあえずFOCASレーザーカッターで。 スリットエッジの精度出し(加工速度と電流のパラメータを見つける)。 -
【MOS】
プレ撮像
導入天体の場所を確認して座標を測る。 - -
天体をマスクにのせる 参照星用のホールを3〜5個、星の写った位置からずれを計算して望遠鏡微調整、を数回やる(FOCASと同じ)。
1)中心位置を求める。<--どうやって?
2)ラフなシフト量・回転量を求める。
3)望遠鏡を動かす(SOSSハンドセットでPAを動かす?)
*PAを動かした場合の追尾性能に問題あるか?ディザー方向は?
4)マスクの穴に星が入っているか確認する。
5)ファインシフト量・回転量を求める。
6)少し長めに露出して、天体がスリットにのっていることを確認する。
アルミマスクの収縮率を求めておく。アラインメント星が入らないと困る。
マスク方向の微調整のため、PAを指定してそれに合わせてディザーするシーケンスを作る。
FOCASのIDLソフトにする場合、MOIRCSデータが大山ソフトに整合性良くのせる事が可能か考える。空の明るさ、位置決めに使える星の数が問題ないか、という点に関して、FLデータと大山ソフトの仕様からある程度の推測をつける必要がある。distortionの評価はM15のカタログを使うが、精度が 要求精度を満たすか、まだ不明。 SupCamデータを使用する場合は、SupCamデータからFOCASの プレ撮像データへ 変換方法が大分精度良くできてきた、と聞くので、現実的な解として有効。ただし、誤差が積み重なるので、うまく行かないときに問題切り分けが複雑になる。SupCam、FOCAS両グループの協力が重要。 分散方向の違い、ピクセルスケール、フォーマットの違いは当座は問題ないか。
オブジェクトを撮る 一つのスリットの中でdither。
たまにグリズムを外して絵を撮って天体がスリットに入っていることを確認する。
ditherの方向とスリットの方向のチェック。 解析のことも考えながら、適当なパターンのディザをする。スカイが変らないうちに3点は取りたい。可能なら5点は取りたいが難しいか。
露出時間を見積もる (村山さんの近赤外分光マニュアル参照)
・OH夜光輝線がサチらない事が、良い精度でのスカイ引きにとって重要。その意味で、J、Hバンドの夜光データが露出時間を決定する。また、OH夜光の変動タイムスケール以内にデータを取得する事が重要。一声5-10分以内か。
・観測中のディザにより、第一段階のスカイ引きを行う。あるデータに対し、その前後のデータの平均あるいは適度な加重平均により、試行的に最も綺麗なスカイ引きを目指す。
・第二段階のスカイ引きは、前項でできたスカイ引き後フレームの空間方向をフィットして内挿的にスカイ輝線を引く。,br> ・object観測の前後で、可能な限り波長感度較正星を撮る。適当なA型星、状況によってG型星かM型星をつかう。
- -
フラットを撮る 空間方向のフラット化。基本的にはドームフラットで撮る。夕方と明け方。
各マスクについて撮る。
- シングル分光で視野の真ん中近くなら人工光源でフラットを撮れるかも。
スリットレス&グリズムで撮る?
CISCOは撮像フラットのデータを使ってpix-to-pix補正している。
積分が長いのでcosmic-rayも増えると思われる。
波長較正 オブジェクトのところでスリットに入っていたスカイを使う。 改めて撮るものではない。 - 曲がっているスペクトルをまっすぐに補正する。
波長感度較正 分光標準星を使う(SAO stars)。A型星とか。
オブジェクトの直後に(同じ air mass)で撮る。二つの検出器に同じ天体を入れて撮る必要がある。 (いずれ検出器間の差がわかれば片方だけでも良いかも。)
検出器位置による波長感度ムラは無視。
- 夕方にロングスリットで撮っておく?
分光スリットと丸いホールを並べておいてditherしながら撮るとよいかも。



スリットマスクについて
項目 内容 コメント・検討項目
スリット幅
ロングスリット

スリット幅  0".2 FOCASはphotometry用に使っている
            0".5
            0".8 銀河
            1".0
            2".0 星の大きさにも依るが、星全体を入れて測光
                 キャリブレーションするときに使う。一晩に
                 一回撮るか?エアマスごとに撮るか?
                 (可視に比べてエアマスの影響は小さい。)

スリット長  〜1' 通常銀河
              2'
              4'
              超ロング  視野全体に渡る長いスリットは天体を
                        串差し状に入れるときに使える。切口
                        がぺらぺらにならないかが問題。
Blaze波長との関係は?
干渉しなければ、スリット長はできるだけ長いほうが良い(スカイ確保)。
ロングスリットのスリット幅は0.5"で作る。MOSのほうではいろんな幅を作ってみる。
マスク材 - JHバンドのときはカーボンシートでもいいのでは?
アラインメントホール 最初は大きめのホールをたくさん開けておいて、プレ撮像で最低2〜3個には星が入るようにする。 実際の観測では導入に使える天体がすくないと思われるので、この誤差分をいかに減らすかが、MOS成功の鍵かと思われる。
マスクの熱収縮 FOCASカーボンシートマスク(冷えない、縮まない)とアルミマスクで同じテストパターン(ピンホール・グリッドパターン)を用意して平行光を入れて撮り、違いを調べる。シミュレータで十分にデータをとっておく。できれば収縮率を求めて、それに基づいて切ったスリットをいれて再び絵を撮って、予想した位置にくるかどうか調べたい(山頂でのスリットカットに+1日かかる)。 MOSファーストライト用に、いちおうFOCASでもプレ撮像を撮って焦点面座標をチェックする。
焦点面での繰り返し位置再現性 FOCASカーボンシートのマスクを使って、マスクの出し入れを繰り返して絵を撮る。
たわみ 二つのチャンネルでたわみ方が異なる場合、プレイメージングと実際の観測のときで 天体の位置がずれる可能性がある。 チャンネル1と2で独立なたわみ方をするので、プレ撮像データからMOS切りをする際は、その補正をしなければならない。たわみ方はELとPAの両方に関係するので、さまざまなELで、複数のPAでのデータを取得し、プレ撮像データの取得条件に応じて補正をしないとXY⇔xy関係はチャンネルで独立になってしまう。
シミュレータでのテスト マスクの焦点面での繰り返し位置精度の確認。
テストパターンでのdistortionテスト。
冷えたアルミマスクのスリット位置移動調査。→均一グリッドではなくて、何かしらのパターンが必要かも。
FOCASはシミュレータでは特にテストしなかった。マスクの位置再現性について三鷹で何度もテストパターンを使って試験しただけ。