マスクの冷却実験 [1] Jan-Feb, 2002 tokoku □ 実験
材料 | 密度 [kg/m3] |
熱電導率 [W/m/K] |
線熱膨張係数 [/K] |
比熱 [J/kg/K] |
アルミニウム | 2.8×103 | 90 | 15.9 | 600 |
インバー | 8.05×103 | 13.8 | 0.1 | 502 |
カーボンシート | 1.76×103 | - | 0°/ 0.9 | - |
・アルミニウムはKerryが用意したもので、材質の詳細は不明。 ・インバーは東洋精箔から購入したもので、放電加工によって直径180mmに切ってある。 ・カーボンシートはFOCASチームからもらったものを直径180mmの円形に切った。 ・カーボンシートの熱伝導は0°(面)方向はわかっているが、90°(垂直)方向は 不明。データは、生産元の東レ(TORAY)による。 ・実験方法 1、マスクカセットに固定したマスクを、CIAOデュワー内のコールドプレート に固定して冷却する。 2、デュワーのふたつのウィンドウにはアルミのふたをして直接の輻射を防ぐ。 3、温度計は、シリコンダイオード温度センサ(直径5mmくらい)を用い、 マスクの裏側(ウィンドウを直接見ない側)の中央に銅テープで固定。 4、グリースは使わなかった。 5、もう一方の温度計はコールドプレートにとりつけた。 6、あとは温度をLakeshoreで読みとるだけ。 □ 結果・考察
材料 | 冷却時間 | 0 | 1時間 | 2時間 | 3時間 | アルミニウム (t=75um) | 291.8 | 143.9 | 69.9 | 70.4 |
インバー (t=50um) | 293.4 | 261.7 | 248.4 | 247.6 |
カーボンシート (t=100um) | 291.6 | 278.0 | 278.2 | 277.8 |
コールドプレートはいずれも3時間後には50-70Kに達している。 1、コールドプレートとマスクカセットがきちんと圧力をかけた状態で 密着していないため、マスクカセットにきちんと熱が伝わっているか どうか、あやしい。(でもアルミニウムは冷えた。) 2、2001年2月に実験を行ったときは、マスクカセット固定用のジグを マスクカセットの厚み8mmにあわせてつくったが、その後マスクカセットの 厚みが6mmになったので、ジグがあわないために固定が難しい。小さい万力 を使うことも試みたが、今のままでは空間の都合でうまくいかない、 ということで、次はジグを冷却専用に少し改良する予定。 (現在のデュワー内のジグは、スリット穴の冷却変形をみる実験をするときの ためにウィンドウとその外に設置する位置センサの有効距離で決っている。) メモ1、マスクカセットにマスクを固定するのは、磁石でよいかどうかの検討。 ネジできつく固定したほうが熱伝導はよくなるが、マスク面にへんな ゆがみがでるからよくない気がする。でも、今のような磁石方式でよいか? アルミニウムのときはよいが、カーボンシートは厚みが100umと厚かった うえに電気伝導が悪いせいもあって(分厚い紙のような感じ)、ちょっと 力を加えると磁石は簡単にはずれてしまった。 メモ2、カーボンシートは最初の冷却実験のあと、一部が破れていた(5mmほど)。 どうして破れたかは不明。(まさか冷えて割れた?) メモ3、実験実施日 ・アルミニウムの実験 2002/2/4 ・インバーの実験 2002/1/13 ・カーボンシートの実験 2002/1/11(1回め)と2002/2/5(2回め) ということで、実験はつづく、、、。