スリットマスクの材質の選択とスリットカット方法の検討

   28,Nov,2000   tokoku
    5,Dec,2000   up


スリットマスクの材質選択と高精度スリット加工の方法は、同時に考えていく
必要があります。
放電加工では、精度のよい加工ができますが、電気伝導度が小さすぎるものは
(アルミナ、低膨張樹脂材など)は加工できません。
一方、レーザ加工では材料は選びませんが、金属の薄板を加工するには大きな
パワーが必要なことと、加工精度をだすために金属板を薄くすることと、マスク
としてたるみのないように固定ができることの兼ね合いを考える必要があります。
とりあえず、現時点での条件等を書き出してみました。


1)とても硬い材質(強度が大)鋭いエッジが歪まない
2)屈強な材質(ヤング率が大)エッジが脆くならない
3)鏡面仕上げができる材質
4)温度変化に対して表面が安定温度によるgeometricな形状の変化が小さい
5)熱膨張係数が小さい材質温度変化による収縮・膨張が小さい
6)熱伝導度の高い材質冷却の伝導と流入した熱の拡散
7)電気伝導度の高い材質EDM加工の場合
    【必要条件を満たす材質】
× アルミニウム(ジュラルミン含)軟らかいため、エッジの精度がでない
× 銅軟らかいため、エッジの精度がでない
△ カーボンファイバーEDM加工は不可
△ アルミナ EDM加工は不可
△ インバー熱伝導が悪い
○ 炭化物金属IRCSで使ったらしいので調査中

◆スリットカットの方法
次に気になるのは「加工効率」です。一晩で使うスリット(数枚)を、昼間のうちに
作成し、スリットデュワーに入れて、真空を引き、冷却して、夜の観測に備えるため
には、マスクの材質(加工性)、板厚、熱物性(冷却性)をよく検討しなくてはなり
ません。





◆材料調達企業(*は返答待ち)

◆精密加工機械販売企業(*は返答待ち)