マスクシートの製作について 2004年12月30日 とうこく マスクシートは、厚さ0.03"(=76um)のアルミ箔ロールから直径191.5mmの円形を 切り出して作る。初めてマスクを作ったときは(これまで実験に使ってきた数枚)、 ケリーが(おそらく)フライス盤で加工したと思われるが、今回は初めてマシン ショップのEDMで切ることになった。 おおざっぱに切ったアルミシート20枚を2枚の板に挟んでネジでしっかり固定し、 まんなかのφ191.5mmをEDMで板ごと切り落とす。加工速度は9-11mm/min。 出来上がったマスクは半分くらいのシートに小さい傷が多数見られた。 針でつついたような傷が1センチ四方に1〜3個程度の間隔でランダムに、 マスク全面にわたってある。下の顕微鏡写真でみると貫通しているようにも 見えるが、後ろから強い光を当てても肉眼ではわからない。貫通までは していない、という程度。 原因は、EDMでカットした際にアークが飛んだか、切粉が超音波によって振動 したのではないかと考えられる。アルミの材質は不明だが、ホイル(箔)なので 比較的純度が高いと考えられ、軟かくて傷がつきやすかったかもしれない。 また、縁をクランプしてまんなかをくり抜く工法のため、切り取られた部分の すきまに水や切粉が入りやすいので、ゆっくり少しづつ切って、切ったところから マスク側もクランプしていくような工夫が必要かもしれない。また、ロールから 切り取るため、変な巻き癖がついているため、これもすきまに水や切粉が入りやすく なる原因になると考えられる。EDMカットにこだわる場合は、もう少し硬くて 熱伝導がよくてホイルにできる黄銅やりん青銅などの材質を試してみることも必要 かもしれない。 それ以外にも、マスクには時々小さなくぼみのような折れ跡がついているが、 これは作業中の取り扱いでかなり防げると思う...。が、そうお願いして作って もらった今回も、20枚作ったうち、最終的にまともなものは数枚だけだった。 ケリーが最初に作ったマスクはきれいだったので、個人的にはフライス盤で切る 方法も試してみたい。