マルチスリットマスクの冷却に関する問題点
-----------------------------------------
Oct,2000
0. 1mmの短いスリットにしても、広がり幅は今回の計算値の半分くらいまでは
行ってしまうとも結果が読めるような気もするのですが、この点も教えてください。
また、FEMに経験がないものの質問ですが、スリットの両端のメッシュの形が三角形
になっている理由とそれによる効果の有無について教えてください。
結果の数値表を見るとわかるように、スリット長方向の変位は、スリット長に
対しては小さな割合でしか変化していないので、長さ方向はあまり問題に
ならないと思っています。
FEM計算で、三角形と四角形のメッシュがあるのは、単にそのふたつの形だけで
マスクなどの形状を描くためで、特に意味があるわけではありません。
メッシュの切り方によって解析の精度には若干差がでてきますが、せいぜい数%
程度で、この見積りに対しては問題ないと思われます。
1.当初は、マスク厚は0.5mmくらいが目安かと思っていたのですが、もしかする
と、薄い方がEDM作業に適しているかと考え、三菱(シカゴ)には、どのくらい薄く
出来るかということをたずねています。今回の東谷さんの計算は100ミクロン厚です
が、これを500ミクロン厚にすると広がり幅は少なくなるでしょうが、どの位少なく
なるでしょうか?薄いほうでは、30ミクロン位まで薄くするとどうなりますか?(い
ずれも1mm長のスリットについて)
追って計算をしてみます。
ただ、金属はいずれは充分に冷えるため、板厚方向には温度分布はできない
と考え、2次元だけで考えても大丈夫ではないかと思います。
2.検討しているマスク案のひとつは、薄い膜をテンションをかけて張るという方式
です。今回の計算で冷却が問題になる可能性が分かったわけですが、もともと室温で
すでにストレスがあると、スリットを切っただけで冷やさなくても同様にスリットの
幅が広がるのでしょう。これもFEMの計算にかかりますか?
私もFEM初心者なのでまだよくわからないのですが、仮定を工夫すればできる
かもしれません。やってみます。いずれにせよ、実際に実験で確認してみる
必要もありますね。
3.今回の計算は周辺を固定しましたか?同一材料でクランプして、周囲も同じよう
に冷えればこの効果はなくなると思って、その場合は次項の膜面上の温度分布の効果
のみになると思って良いでしょうか?その効果の見積もりも出来ますか?
その通りです。これは1と同じ答えになります。
確認のために、板を厚く、あるいは薄くした場合も計算してみます。
4.輻射により膜面の温度が何度に昇ってしまうかも、材料選択のキーのひとつで
す。例えば、180mm 径 0.5mm 厚、0.1mm 厚の材料について、160mm前方に300Kの黒体
があり、周辺が150Kにクランプされているときの中心温度を求めていただけますか?
やってみます。
実は、私の持っている解析ソフトでは輻射の計算ができないのですが、仮定を
工夫すればできると思います。