ドームフラット分光性能チェック
とうこく
2005年5月30日更新予定 書き途中
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このレポートの概要
ドームフラットの分光特性のチェックをした。zJH領域で変なへこみが見える。
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使った画像
MCSA00004813 ドームフラット 10sec フィルタなし zJ500 ロングスリット
MCSA00004827 ドームフラット 40sec OC-1.3 HK500 ロングスリット
MCSA00005013 OH用分光 30sec フィルタなし zJ500 ロングスリット
MCSA00005111 OH用分光 30sec OC-1.3 HK500 ロングスリット
MCSA00004813.fits(zJ500)/MCSA00004827.fits(HK500)
右側が短波長、左側が長波長。一番上の0.5"スペクトルを使用。
解析
1)ドームフラットからアノマリ効果を差し引いてから、
2)同じスリットで撮ったOH夜光を波長同定して
3)スリットの曲がりを修正してから
4)それを元にドームフラットを波長対応させた。
カウントを稼ぐため、ピクセル間感度補正、波長感度較正はしていない。
#アノマリは、すぐ下の20行の平均を差し引いただけなので、
右上領域の効果が短い波長側半分に入っているかもしれない。
たとえば↓、左はすぐ上のy=1980-2040pixの平均、右は実際に差し引いたアノマリ。
結果
zJ500グリズム(左:全体、右:zJ領域拡大)
12000Aに大きなへこみがある。9000A、10500Aにもへこみがある。
すばる初期の望遠鏡チームレポートのスペクトルとはだいぶ違う。
8000Aより短い側はマスクフレーム像が写っていたので244pixカットしてある。
短い側は4pixカット。
HK500グリズム(左:全体、右:K領域拡大)
zJ500で15000-16000Aにある巨大な山は見えている。
Kバンドのスペクトルは、先日たまたまCISCOで撮ったというドームフラット
スペクトルとほとんど同じだった。望遠鏡チームのレポートともほぼ同じ。
短い側は4pix、長い側は24pixカット。
考察
・すばるでドームフラットを使用している赤外線分光装置はない。
すばる立ち上げの頃の望遠鏡チームのレポートによると、
ドームスクリーンを使用した赤外分光スペクトルには若干の
吸収がみられたらしいが、実際データがほとんどない。
KはCISCOとほぼ同じということがわかったが、
zJH領域に関してはどう判断すべきか?
・zJグリズムのときは、フィルタなしなので、8500A -> 17000A
のような2次光は写っているかもしれません(弱く)。
→分光解析
・波長範囲をみると、ロングスリットの位置は、zJ500グリズムでは
これでよさそうだが、HK500を考えると若干短波長側にしてもよい
かもしれない。
・ロングスリットを空間方向3つにすると、真ん中のスリットが
象限の境をふむ上に、アノマリの差引が難しいので、次回は空間
方向に4つにしたほうがよいかもしれない。もしくは右上と左下
の領域をさけて、上半分と下半分に1つづつとか。