MOIRCS/MOS のスリット加工方法の再検討

Dec. 6, 2002  tokoku


放電加工機とレーザ加工機の候補

方法 会社 機種名 精度 ワークサイズ コメント
放電加工 DIAX 三菱電気 FA10 位置決め:
繰り返し:
800×600 mm サンプル加工あり:精度は実際の試加工で確認済み。

Sodick ソディック 返答あり:加工可能。切り口の面精度も可能。
放電加工以外は取り扱っていない。
DAIHEN ダイヘン

マイクロリサーチ





レーザ 住友重機 Flash cut system 位置決め:10um
繰り返し:±2um
800×600mm 返答あり:加工可能。ワークステージのサイズはもっと小さくできる。
JLC 日本レーザ FOCASのレーザはここ

Lambda Physik (独) カタログ取り寄せ中

ミヤチテクノス

* 「返答あり」について、問い合わせた項目
  1)材料:サイズ 200×200mm、厚み 0.1-0.05mm でインバー程度硬さの金属
  2)スリット穴:幅0.1mm×長さ1mm。穴は板厚の方向に角錐型(60°)。
  3)スリット精度:幅方向0.01mm、長さ方向0.1mm、板厚方向も同程度。




放電加工とレーザ加工の比較検討

放電加工 レーザ加工
メリット
・熱や力を使わない(加工によってスリット周辺が
  ゆがむようなことはない)。


デメリット
・電極の磨耗のため、スリット加工の安定性が問題。
・電極の磨耗・交換のため、ランニングコストがかかる。
・大量の加工液(水とか)を備えた装置になる。


そのほか
・カーボンシートやアルミナなど、電気伝導性のない
  ものには使えない。

メリット
・精度はよいが、材料によって必要なパワーが異なる。
・必要なメンテナンスは冷却水の交換程度。


デメリット
・パワーによっては、値段が高くなる。


そのほか
・山頂に置くとなると気圧や冷却水などの問題がでる。





レーザの種類 (スリット穴の加工としては、YAGかCO2しかないようです。)

種類 方法 波長
[um]
発振 出力 効率 用途・詳細
固体レーザ ルビー 0.69 P 〜20J 〜1 穴あけ
ガラス 1.06 P 〜90J 〜4 穴あけ・核融合
YAG 1.06 P/CW P〜150J
CW〜1kW
〜3 穴あけ・切断・溶接
半導体レーザ GaAs
InGaAsP
0.6-1.6 P/CW CW〜50mW 〜100 通信・計測・情報処理など
気体レーザ CO2 10.6 P/CW 〜40kW 〜20 穴あけ・切断・溶接・熱処理
エキシマ 0.15-0.35 P 〜900mJ 〜15 最もパワーが強く、用途の広いレーザ。
He-Ne 0.63 CW 〜1mW 〜1 計測・ディスプレイ
Ar 0.51 CW 〜25W 〜0.1 穴あけ・計測
* P:パルス発振、CW: