光学ベンチの軽量化とその強度チェック
14 Jan, 2001 tokoku
解析
光学ベンチのサポートプレートの軽量化案について、
その強度をFEMでチェックした。
サポートプレートのコリメータ部には直径120mm、カメラ部には直径100mmの
穴をぜんぶで24個あけた(図1)。これで約10kgの軽量化になる。
図1 全体像(左:鳥瞰図、右:正面図)
穴の中に見えるのは光学レンズとホルダーぶんのおもり
[解析条件]
光学ベンチ
材質 :Al6061
物性値:77Kの値を使用
ヤング率 70 GPa
密度 2.7×103 kg/m3
ポアソン比 0.3
降伏応力
ストラップ
材質 :G10
物性値 :77Kの値を使用
ヤング率 23.8 GPa
密度 1.88×103 [kg/m3]
ポアソン比 0.12
降伏応力 6.2 GPa (参考数値:温度不明)
引っ張り応力 275.8 MPa (参考数値)
ストラップ支持方法 : 四つ字+うちまた 型
結果
|
|
最大変位量 [um] |
最小変位量 [um] |
最大ミーゼス応力 [MPa] |
ベンチのみ |
静止しているとき |
56.7 |
55.1 |
0.32 |
X方向に90度傾けたとき |
95.3 |
49.8 |
0.72 |
Y方向に90度傾けたとき |
76.9 |
43.5 |
0.43 |
ベンチの変位量の詳細な数値はこっち
分布図は以下のようになります(クリックすると絵がちゃんと見えます)。
↓ 静止状態のとき(重力が-Z軸方向)
↓ X軸方向に90度傾けたとき(重力がX軸方向)
↓ Y軸方向に90度傾けたとき(重力がY軸方向)
図2 各状態での変位量と応力分布
熱応力解析の結果
全体のなかでの最大ミーゼス応力は0.18GPaで、上下のストラップの根元あたりに
集中して生じるようです。
図3 冷却したときのベンチの様子
図4 冷却したときの全体の様子
(ストラップの根元に大きな応力集中がみられる)
補足
* マウントを含めた各光学素子の重量(1セット分)は以下のとおり。
col_1 5.00 kg
col_2 4.70 kg
col_3&4 6.97 kg
cam_1&2 2.57 kg
cam_3&4 5.61 kg
cam_5&6 4.23 kg
detectors 5.90 kg
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total 約 35 kg
* 光学ベンチにぶらさがるもの全部
光学素子(レンズ、マウント) 60 kg
検出器と周辺機構 12 kg
メイン光学ベンチ 24 kg
H構造サイドプレート(2枚) 40 kg ←今回の軽量化(-10kg)
ターレット(6つ) 112 kg
ターレット前後のプレート 32 kg
ストラップ台 1 kg
ミラーマウントボックス 8 kg
ミラー(3つ) 11 kg
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total 約 300 kg