SPIE2002@コナ レポートメモ
Sep. 3, 2002 tokoku
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SPIE Astronomy が 8月22-28日 に開かれました。私は25-28日に参加してきま
した。たいした情報は得ていませんが、自分のメモとして書いておきます。
(なぜか EMIR と LFAMINGOS については、直接はコンタクトしませんでした。)
個人的にコンタクトした人と装置
・IRIS2 (Greg Smith: IRIS2のメカニカルエンジニア)
・MOS試験観測が始まるところ。
・MOSのマスクは、独立した前置デュワーのターレットに2枚ほど入る。
(ターレットには5つ収納があり、1つはクリア、2つはロングスリット、
残り2つがマルチスリット。)
・マスクは真鍮で作った。そのほうが薄くて強度がでるから。スリット加工は
レーザ。
・熱伝導用のパスは薄いアルミシートを約1センチほど束ねたものを、冷凍機側
と光学ベンチ側のコールドプレートにネジ止めした。
アルミのほうが作りやすいしフレキシブルさも適当。熱伝導量は問題なかった。
・デュワー内壁に、厚み1センチほど(十数層)のスーパー・インシュレーション
を固定した。デュワー製作段階で内壁に取手をつくっておき、そこにひっかける
ようにして巻いた。
・デュワーは、上部(焦点面のスリットマスク・ターレット)と下部
(検出器ユニットと光学ベンチ)がすっぽり取り外せるようになっている。
メンテナンス(熱パスの着脱も含む)がし易いようになっている。
・LIRIS (Arturo Manchado Torres: LIRISのPI)
・2002年1月には観測に入る。
・MOSマスクは、厚さ0.5mmのアルミで作った。焦点面のサイズは直径60mm。
1回で10枚収納できる。
・マスクを固定するカセットはなく、直接ターレットに固定するようになって
いる。厚み0.5mmは、強度(平面性)のため。
・スリットの加工は放電加工。板厚0.5mmは問題なく切れた。
・マスクの加工・冷却実験はけっこういろいろやっている。
・スリットの相対的な位置の冷却による影響については、、、何か聞いた気が
するけど忘れた...。
*** MOIRCSについてコメント ***
・お互いに、似たような装置で似たような開発フェーズにいる。MOIRCSのMOS
がどのように機能するかとても興味がある。(特にマスクの材質、スリットの
加工方法などについて聞かれた。)
・LUCIFER (友野大悟さん)
・ファーストライトは2004年5月を予定。LUCIFER 2 は、2005年6月を予定。
(それぞれがLBTのbinocularに載るってことか...。)
・マスク交換機構は非常に複雑(に見える)。マスクが一列に並んだカセット
から目的のマスクをジュークボックスのように1枚取り出して焦点面に運ぶ。
・マスク交換機構はドイツの業者がやっているそうで、チームでは仕様を考えた
だけ。(3次元の絵も業者が書いたもの。)
・CIRPASS (Ian Parry: CIRPASSのPI)
*** MOIRCSについてコメント ***
・VPHグレーティングを使えばよかったのに。50mmのひとみなら余裕で作れる。
そうすればOH夜光も差し引けるのに...。
・開発速度が早いという意味では、大変おどろいた。すごいと思う。
MOSがとてもシンプル。
・KMOS (Ray Sharples: ダーラム大装置開発チームヘッド)
・KMOSのファーストライトは2007年を予定。
・ファイバーの駆動とファイバーとマイクロレンズの接続にとても苦労している。
まだ冷却実験という段階ではない。(友野さん)
*** MOIRCSについてコメント ***
・大変すばらしい進捗だと思う。ぜひ集録を読ませてほしい。
・特に、マスク交換機構のところが興味深い。
マスク交換機構のコストとマンパワーはどれくらいだったの?
見たもの
・ハワイ大学の広視野カメラ(WIRCAM)の一部?(テストデュワーかも)が、
Rockwellのブースに展示されていました。熱パスがとてもよくできていたので、
参考のために写真を撮りました。(クリックすると大きくして見られます。)
※全体を撮ろうとしたら係の人に怒られたので、全体写真はありません。