TMT近赤外撮像分光装置検討WG
第1会意見交換会 議事録

2007年11月29日JST (28日HST) 
2007年11月30日HST更新
2007年12月1日HST更新

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参加者
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ハワイ: 東谷、秋山
三鷹: 柏川、本原、美濃和
岡山: 柳澤
カーネギー: 大内

準備資料

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メモ
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・他のELTとの比較。
  GMTでは、撮像7'x7'、分光7'x5'のSL(シーイングリミット)の
  近赤外撮像分光装置NIRMOS Conceptual Design Review (2006年2月)が提案されている。
  お金はまだついていない。
  韓国から $55M を出してもらうかわりに10%の時間を与えるなどの検討をしている。

  それぞれのELTの赤外線の広視野装置の視野はざっと、

  TMT     ~4 arcmin2
  E-ELT   ~10 arcmin2
  GMT     ~40 arcmin2

・MCAOとNFIRAOSは違うか。(高見さんに確認しました。11/30/2007)
  NFIRAOSは機能としてはMCAOだそうです。5LGSで2層を補正。
  MCAOは約2分の視野をカバーできますが、IRISでは10"x10"をカバー、IRMSでは2'x2'をカバーします。
  ポートは4つあるので、まだ2つは空き?  

・光学系F~1は難しいだろう。せめてF~2くらいにしたい。
  サンプリングレートを上げて(〜25-30masくらい)検出器を増やす。あとはノイズとの兼ね合い。要計算。
  検出器や光学素子の設置精度、温度変化なども含めて考慮。レイトレースしてみたほうがよい。
  反射光学系にしたほうが楽かも?

・サイエンスを気にする必要はない。今ある目標でよいだろう。
  早く作ることが大事。第一期にまにあうようにという気持ちは大事。
  そのためには仕様の決定にも勇気が必要だろう。
  分光なしにするとか。
  K-bandなしにするとか。
  狭帯域撮像で特色をだすとか。
  とはいえ、オプションは後からでも消せるので、今は可能性のあるものを考えておく。

・IRMS などの 2'x2' 程度の視野では入ってくる天体の数が限られる。
  視野×感度の兼ね合い。何をターゲットにするかによっても変わるが、ターゲットのredshiftと面密度と
  観測できる個数で競争力を比べる。
  分光の検出限界より明るい天体が1視野に何個くらいあるか。
  DEIMOSのように、分光視野を装置視野の一部に絞るとう方法も考えられる。

  FAQ: 【分光編】 なぜ面分光にしないのか?
  視野が狭い場合、面分光の方が効率が良くなってくるのではないか? を参照。

  TMT1時間で到達するであろう<24ABmag(AO有)で200個/5arcmin^2=40個/arcmin^2。
  IRMOS1視野2ー4平方分ならその多天体機能を持て余すことはないだろう。
  ただし、extra-galacticなサイエンスで言えばredshift surveyのように虱つぶしに分光する場合に限られる。

・浜ホトの近赤外検出器の開発は比較的昔からある。広大や岡山でも興味を持っている。
  InGaAs検出器 1.6umカット。HgCdTeよりダークが少ない、感度はあまり変わらない、材料が入手しやすい。
  サイエンス用途としては、JAXAのハヤブサで浜ホト製の近赤外イメージセンサ InGaAs、64ch、0.8-2.1um、が使われた。

・日本のAO状況。すばるの可変副鏡は検討中。技術的にはかなり難しい。
  日本AOチームの次のトレンドはextremeAOか。

・GLAOは開発中の望遠鏡は多いがまだ成功しているところはなさそう。


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本日の意見をうけての装置案たたき台(大内案)
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(少しでも成功の可能性があることは現時点では残しておく。
実現性、予算・マンパワーで確実に無理と分かった時点で排除する。)


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超広視野モード(~f/1 beam)が可能な場合は、基本的に
   超広視野、seeing limited撮像を主体にした装置にする
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第1段階
TMTの焦点面全面をカバーする(175arcmin^2)JHK seeing limited撮像装置を作る。
カメラは4個程度のモジュール方式。
(設計段階でMOS分光モードができる光学設計、
機械・熱設計を可能な限り行う。)
→first light 第1段階の運用

第2段階
(仮に第1段階で分光機能を含められる設計ができた場合)
MOS分光機能を加える。分光可能領域は、必ずしも視野全面でなくても
良い(例えば長方形の領域50arcmin^2くらい?)。広い検出面(~2x2k array x 12)を
生かし、VPH grism等で中分散分光(R=2000-4000)して、OH輝線を
綺麗に引ける装置にする(Keck/DEIMOSのアイディア。ナスミス装置なので
flexure compensation systemが必要?)
→第2段階の運用

第3段階
GLAOを組み合わせて、撮像(+分光)の効率を上げる
→第3段階の運用(完成)