フィルタ吸収について
2010年2月12日更新 とうこく


・池田フィルタとwishフィルタ(t=1mm)。
・黒が常温、青が低温での透過率。
 (60Kに冷やして一定時間たって昇温中に吸収は最も深くなる。)
・水色はwishフィルタに使われたSi基板(t=1mm)の低温での透過率。
・薄ピンクは水蒸気の吸収がでると言われている範囲。


吸収がみられる波長 原因と思われる吸収源 その物質の300K
での蒸気圧
その物質の0.03hPa
(FTIR内)での沸点
メモ
波長[um] 波数[cm-1] 物質 波長[um] [Torr] [K]
3.1 3226 H2O 3.0 26.73
(36 hPa)
吸収幅広い。
3.38 2959 CH4?
(メタン)
112 もしくはHydro-Carbon系?
3.43 2916 CH4O
(メタノール)
3.0 140.86
(188 hPa)
337 もしくはHydro-Carbon系?
3.51 2849 CH
4.27 2342 CO2 4.27 もしくはC-O結合関連?
4.46 2242 -
5.79 1727 CO
そのほか装置内にありそうなもの?
- - C2H6O
エタノール
66.23
(88 hPa)
351
参考文献 ・島津製作所・FTIR分析の基礎食品における近赤外スペクトル ・京都産業大の河北さんからもコメントをいただいた。 考察 ・こうした吸収が見られる理由。   (1)洗浄が不十分で着いていた   (2)冷却中に吸着した  池田フィルタでも同じ傾向がみられること、基板でもでていること、  冷やすことによって吸収が大きくなっていることから(2)の可能性が高いか。 ・フィルタと基板の程度の差はコーティングがあるかないかによる表面積の差か。 ・FT-IR内部からの汚染物質の場合、左近フィルタに見えないのはなぜか。  波長域の差や、測定したのが装置が新しい頃だったとか。 ・となると、OCJの島津FT-IRもあまりきれいではなかったのか。 ・FT-IRコンタミの疑いを調べるためには、FT-IRにターボ分子ポンプをつけて  十分なベーキングを行うか、または別のFT-IRで測定してみる。  →東北大にも共同利用装置のようなものがあるので検討してみる?→冷却用キットがついてないかも。。。 ・ゆっくり冷やしてコンタミが金属マウントに十分吸着してからフィルタが  冷えるようにするとか。  またはそういうクライオポンプ機能をどこかに追加する、とか。 ・使うのは液体窒素で十分と思う。 メモ ・FTIR内はおよそ0.02hPa(2.3E-2 Torr)。  FTIRにはロータリーポンプしかついていないので、高真空にはできない。 ・Siは100KでCTEが逆転する。2.6E-6@293K、-0.4E-6@100K。