MOSデュワー真空テスト
Tokoku
Oct. 31, 2002 HST update
Oct. 18, 2002 HST
実験
前回、デュワー全体の簡単な真空実験をした際、真空があまりよく引けなかった。
ただし、ほとんど時間がなかったので、本当に真空漏れがあるのか、だとしたら
どこから漏れているか、全体のアウトガスが多いだけなのか、よくわからないまま
になっていた。そこで、まずはMOS部だけを取り出して真空実験を行った。
この実験に先立ち、MOS部にはいくつか新しい部品がついた。
・光学系実験用のぞき窓
焦点面デュワーのふたに、小さなガラス板を二つ取りつけた。ガラス板の
アダプタは土井さんにデザイン・製作してもらった。
・マスク交換用アクセスポート
マスクデュワーの側面にドア式のアクセスポートをつけた。
・MOS用冷凍機の取りつけ箇所にめくら蓋を作った。
(冷凍機の重さで冷凍機を取りつけている根元部分にすきまがあいてないか
確認するため。この部分の構造は冷凍機の重さに対してはやや弱い感じがある。)
・スロート部の冷凍機取りつけ用ポートだった箇所についている、めくら蓋の
Oリングを2重構造にした。(真空シール構造としてはやや弱い箇所だったから。)
今回の実験の様子
結果
1、MOS部は、十分高い真空真に到達し(4×10-5Torr)、真空容器と
しては問題ないことがわかった。
2、次に、MOS部用冷凍機(CTI)を取りつけて(マスクデュワーの底面に
ぶら下げて)同様に真空引きを行ったが、同じように高真空を達成し、MOS部
の冷凍機接続部も、真空容器として問題ないことがわかった。
---------- 実験の経緯 -------------
10月18日(金) 真空を引き始めるが、真空度が 2.5×10-2Torrで止まった
まま。3日ほど引いても全く変化なし。
そこで、ヘリウム・ディテクタを接続し、何回かにわたり
リークテストを行うことにした。
10月21日(月) ケリーが来た。真空引きはいったん停止し、直線導入器の
モータ部の問題を解決。ケリーの作業後に、再び真空引き
を開始。
* モータ部の問題
直線導入器のボールネジと相方のネジの噛み合いが
強すぎて(きつく絡みついて)、モータが動かなく
なっていた。モータのパワーは足りているようだった。
10月23日(水) リークテスト1回目
△ デュワー側真空ゲージ周辺?
○ マスクアクセスポートは OK
△ 真空ポートの根元
× ゲートバルブとスロート部の間
(リーク量の桁が変わったのはここだけ)
○ ウィンドウは OK
○ 真空ポンプ周り OK
○ 焦点面デュワーふた OK
○ ロボハンド OK
○ 底面 OK
○ ゲートバルブ溶接面 OK
○ リークディテクタ周辺 OK
○ マスクデュワーのモータ導入部 OK
10月24日(木) リークテスト2回目
× ゲートバルブとスロート部の間(リーク量2桁変動)
10月27日(日) 1週間真空を引き続けているが、真空度は初日からまったく
変化なし(2.5×10-2Torr)。
10月28日(月) リークが唯一ひどかったスロート部とゲートバルブの間の
取りつけをやりなおそうと開けてみたら、そこにはOリング
が入っていなかった!!
Oリングつけて真空引きを行ったら、あっというまに
10-4Torr に到達。
10月30日(水) 40時間で3.4×10-5Torrまで到達。
いったん真空引きを停止し、マスクデュワーの下にCTI
冷凍機をとりつけてから、再び真空引きを行った。
10月31日(木) 20時間で3.5×10-5Torrに到達。実験終了。