KAGRA側参加者:鈴木、榊原、東谷
ソルブラックを施したダクトシールドの試作品を東理社工場のクリーンルーム内で組み上げてもらい、接合個所などの確認を行いました。
クリーンルーム。前室付き。クライオダクト1号機はリークテスト用に排気中。クリーンルーム外には2号機、3号機も待機中(組み上げ中)。
クライオダクトの設置はけっこう難しそうとのこと。角度のある締め付けに対応するための球面座金。
レーザトラッカー用台座。フランジ取り付け用の移動式チェーンブロック。
届いていた試作品。シールド筒1本(試作)、フランジ2個(試作)、バッフル4個(試作品1個、本番品3個)を開梱して納品検査。金属技研でベーキングの際につけた箱番号は、①②がフランジ、③④⑤⑥がバッフル。バッフルは試作品を区別していない模様。③→④→⑤→⑥の順に開けて、⑥を試作シールド組み上げに使用。フランジのエッジには傷で金属面が見えているような箇所が見られる(バッフル4個中3個のふちに傷。引っ掻いたように連なった傷も)。ホコリが傷に見える時もある(ホコリっぽく見えるものは弱くエアブローして落ちるかどうか見た)。ケガキ線に対して90度か180度の位置のふちに傷が付いていることが多かった印象(ソルブラックの際の吊り治具との位置関係か?)。梱包材に擦れてついた傷ではない印象。封入した窒素が抜けたのか、エッジは緩衝材に押されている状態が多かった(ついでに、箱も「上積厳禁」シールが全ての箱に貼ってないのは改善の余地あり)。
筒。金属技研では床を転がして木箱に入れたとのこと。隙間なく木箱に収まっており取り出すのに苦労していました。ロープを通してクレーンで取り出して、台車に載せてクリーンルーム内へ。本番品のときの取り扱い方法を考える必要あり。
筒の内壁は目視だと光沢があるように見える。外の物の像が比較的はっきり映って見える。写真で筒の向こう側にいる作業者の後方にあるクリーンルーム内の天井の電灯が筒の奥(写真手前)に見える。筒のネジ穴にヘリサートを入れる。
ソルブラック部分をクリーンクロスで拭いてみたところ、黒いものが付着しました。写真3枚目は乾いたクロス、4枚目はアセトンを染み込ませたクロスで拭いたところ(筒のふちを一周なぞる)。あまり差がない印象。
メモ)試作筒は金属技研でベーキングしていない。
フランジとバッフルを取り付ける。はめあいが若干きつく、叩いて入れる。ソルブラック分(〜20um)きついか。ボルトは2〜3個おきにつけるだけにする。2枚のフランジのはめあい部分(ボルトヘッドが交互になる部分)も確認。
低温(鏡)側から覗いてみる。バッフルとフランジの接合面の円周が白く見えるが、クリーンルームの電気を消してバッフル側に暗幕をすると目立たなくなる。接合面に外から強い光を当てても漏れている感じはない。周囲を暗くして光を当てると筒内壁のゴミと、筒内壁中央の接合面の加工跡の筋が目立つ。
メモ)試作品はシールドふちをソルブラックしたが、本番では熱伝導のためにソルブラックしない。
筒内中央の筋からは茶色の粉状の塊が多数でていました。筋を手でなぞると粉がつぶれて汚れます。(試作品なので、いろいろ触ったり拭いたりしてみました。)