シールド蓋のボルトを締めるための試行錯誤の日。
シールド蓋は、自重による熱接触の圧力を期待してオフセットするようになっていることを木村さんから指摘。ボルトを締めるレンチの、外から見える部分とクライオスタット内部の位置関係を把握するため、各所の長さを測定。蓋はオフセット可動範囲ほぼいっぱいの23-25mm程度押し上げられていることがわかった。
ちなみに、アウターシールド筒のネジ穴(ヘリサート)が1個バカになっている。他の穴は素でボルトが入ることを確認。ネジ穴付近はアルミ粉がでている。
本日1回目の蓋締めでは、木村さんの指示に従い、ボルトがネジ穴に入り始めるところでいったん止めて、ボルトの先がネジ溝に入るようにした(=シールド蓋で位置合わせをする)。しかし、アウターフランジの半分(同じ側)のボルトは入らず、インナーシールドは全て締めることができた。このことから、先にボルトを入れた側にフランジ蓋が傾いている可能性もあるので、対角締めしてみてはどうかという意見になった。
2回目の蓋締めでは、対角締めしようとしたが、複数のボルトで手応えなしですぐに諦め。開けてみると、MLIがワッシャの下に入り込んでボルトが斜めになっていたり、破れたMLIがボルトに絡まっている部分を発見。
3回目の蓋締めでは、改めて対角締めしたところ、難なく全てのボルトが締まった。ということで、「対角締め重要」と再確認。この時は真空槽蓋のボルトはほとんど締まったが、入らないものが1〜2か所。位置合わせのためには「真空槽蓋のボルトを先に入れない」ことも大事と認識。
4回目の蓋締めでは、3回目の後やはり破れたMLIが絡まっていた部分をカプトンテープで修繕。本番のつもりでOリングを入れて液体窒素配管にもガスケットを入れたが、今度は真空槽蓋の水平が微妙にでておらず、やや難航。
今日はついでに、懸架物上下駆動装置を動かして、懸架物支持台の様子をチェック。懸架物支持台の先端はネイルヘッド形状のものをひっかける構造になっている。上下駆動装置はウォーム減速機だけなので(メカニカルなロック機構がないので)、重いものを懸架したときに動かないのかどうか依然として不明。